モームリはなぜ違法で何があった?安全な退職代行の選び方も解説

3つの扉を前に悩む男性会社員。民間・労働組合・弁護士の退職代行から1つを選ぼうとしている様子

※本記事にはプロモーション(広告)が含まれます。

「退職代行のモームリはなぜ違法とされたの?何があったの?」と不安になっていませんか。
退職代行の利用を考えていた矢先に「モームリ前社長逮捕」のニュースを見て、「退職代行そのものが危ないサービスだったのでは」と感じた人は多いはずです。

結論からお伝えすると、問題とされたのは退職代行サービスそのものではありません。
逮捕容疑の中心は、弁護士資格のない会社が、報酬を受け取って利用者を弁護士に紹介していた疑い(弁護士法違反)です。

この記事では、ブラック企業に10年勤め、退職交渉で苦い思いをした私が、モームリ事件の経緯と「なぜ違法とされたのか」、そして安全な退職代行の選び方を、報道と公式発表をもとに整理します。
特定の企業を批判する意図はなく、事実は事実として伝えますので、あなた自身が判断するための材料にしてください。

目次

退職代行モームリに何があった?逮捕から裁判までの流れ

まず、「モームリに何があったのか」を時系列で整理します。
断片的なニュースの見出しだけを見ると「退職代行=違法」という印象を持ちがちですが、実際の経緯を順に追うと、問題になったポイントはかなり限定的だとわかります。

モームリとはどんなサービスだったのか

「退職代行モームリ」は、株式会社アルバトロスが運営する退職代行サービスです。
業界でも低価格な料金設定とSNSでの発信力で知名度を伸ばし、退職代行という言葉を世間に広めた存在のひとつといえます。

退職代行の市場自体も拡大を続けています。
パーソル総合研究所の2025年の調査では、正社員の離職者のうち5.1%、およそ20人に1人が退職代行を利用したと報告されています(出典:パーソル総合研究所「離職の変化と退職代行に関する定量調査」)。
もはや一部の人だけの特別な手段ではなくなっているのです。

前社長らの逮捕容疑は「弁護士法違反」

2026年2月、警視庁は運営会社アルバトロスの社長(当時)とその妻を、弁護士法違反の疑いで逮捕しました。
報道によると容疑の内容は、退職交渉などの法律事務が必要な利用者を提携先の弁護士に紹介し、その見返りとして1件あたり約1万6,500円の紹介料を受け取っていた疑いというものです。

さらに報道では、この紹介料を「広告費」や「労働組合への賛助金」といった名目で処理していた疑いも指摘されています(出典:弁護士ドットコムニュース(Yahoo!ニュース)「退職代行『モームリ』社長ら逮捕 なぜ『弁護士紹介』が違法に?」)。

当時の社内ではパワハラがあったという報道も出ていますが、逮捕容疑の中心はあくまで弁護士法違反、つまり法律事務の違法な紹介と紹介料の受領の疑いです。
この点を混同すると事件の本質を見誤るので、切り分けて理解しておきましょう。

裁判の現状|起訴内容を認め、判決は2026年8月の予定

その後、前社長・妻・法人としてのアルバトロスは、弁護士法違反と組織犯罪処罰法違反の罪で起訴されました。
2026年5月26日の初公判で、被告側はいずれも起訴内容を認めたと報じられています(出典:時事ドットコム「『モームリ』元社長ら罪認める」)。

6月5日には検察側が前社長に懲役2年、妻に懲役1年6月、法人に罰金200万円を求刑しました(出典:時事ドットコム「『モームリ』元社長に懲役2年求刑」)。
判決は2026年8月28日に言い渡される予定で、本記事の執筆時点では刑が確定したわけではありません。

時期出来事
2023年3月頃〜利用者を提携先の弁護士に紹介し、紹介料を受け取っていたとされる期間(報道)
2025年10月警視庁が運営会社などを家宅捜索
2026年2月前社長と妻を弁護士法違反の疑いで逮捕。後に法人を含め起訴
2026年4月新代表のもとで退職代行サービスの営業を再開
2026年5月26日初公判。被告側は起訴内容を認める
2026年6月5日検察側が前社長に懲役2年などを求刑
2026年8月28日判決期日(予定)。現時点で刑は未確定

なお、モームリ自体は2026年4月に代表を交代し、法令遵守の徹底を掲げて営業を再開しています(出典:東京商工リサーチ「モームリ運営会社、退職代行サービスの営業再開を発表」)。
サービスが消滅したわけではない、という点も押さえておきましょう。

📌 今日できる一歩
気になるニュースは見出しだけで判断せず、「誰が・何の容疑で・今どの段階か」を確認する癖をつけましょう。
今回なら、運営会社の公式発表(株式会社アルバトロスのサイト)と報道を1つずつ読み比べるだけで、不安の輪郭がはっきりします。

モームリはなぜ違法とされたのか|非弁行為と弁護士法違反

では、なぜ「弁護士を紹介しただけ」で逮捕にまで至るのでしょうか。
鍵になるのが、弁護士法72条と「非弁行為」という考え方です。

弁護士法72条|法律事務は弁護士だけの独占業務

弁護士法72条は、弁護士でない者が報酬を得る目的で、法律事件に関する代理や交渉などの法律事務を取り扱うこと、そしてこれらの事件を「周旋(しゅうせん)」することを禁じています。
周旋とは、簡単にいえば「案件を仲介・あっせんすること」です。

資格のない人がこれらを行うことを「非弁行為(ひべんこうい)」と呼びます。
なぜここまで厳しく制限されているかというと、法律知識のない業者が報酬目当てで他人のトラブルに介入すると、依頼者が不利益を被るおそれが大きいからです。
困っている人を保護するためのルール、と理解するとわかりやすいと思います。

問題とされたのは「報酬目的の弁護士あっせん」

モームリ事件で問われたのは、まさにこの「周旋」の部分です。
退職交渉など弁護士が扱うべき案件を提携先の弁護士に紹介し、見返りとして紹介料を受け取っていた疑い、これが容疑の核心です。

紹介を受けていた弁護士側も無関係ではなく、提携先の弁護士らも捜査の対象となり、紹介を受けていた代表弁護士には有罪判決が出たと報じられています。
つまりこの事件は「業者と弁護士の癒着構造(いわゆる非弁提携)」が問われた事件だといえます。

退職代行サービスそのものが違法になったわけではない

ここが一番大事なポイントです。
モームリ事件は、退職代行サービスそのものが違法と判断された事件ではありません。

「退職したいという本人の意思を会社に伝える」だけであれば、法律事務にはあたらないと一般に解釈されており、民間企業でも適法に行えます。
一方で、「退職日を交渉する」「未払い残業代を請求する」といった交渉の領域に踏み込むと、弁護士資格のない民間業者では非弁行為のリスクが生じます。

つまり利用者にとっての教訓は、「退職代行を避けるべき」ではなく、「どの業者が、どこまでを適法にできるのかを知って選ぶべき」ということです。
これを知らずに業者を選ぶと、交渉が必要になった瞬間に対応できなくなったり、思わぬトラブルに巻き込まれたりするリスクがあります。

📌 今日できる一歩
自分が退職代行に頼みたいことを「退職の意思を伝えてもらうだけでよいか」「有給消化や未払い残業代などの交渉まで必要か」の2つに分けて、スマホのメモに書き出してみましょう。
これが次の章の「選び方」の判断材料になります。

退職代行は3種類|民間企業・労働組合・弁護士の違いと選び方

退職代行には、運営元によって「民間企業型」「労働組合型」「弁護士型」の3種類があります。
どこまで対応できるかが法律上はっきり分かれているので、まず比較表で全体像をつかんでください。

比較表で見る3タイプの対応範囲

対応内容民間企業型労働組合型弁護士型
退職意思の伝達
退職日・有給消化などの交渉×
(非弁行為のリスク)

(団体交渉で可能)
未払い残業代・退職金などの請求×
(交渉まで)
損害賠償への対応・裁判対応××
料金の目安1〜3万円程度2〜3万円程度3〜10万円程度

成功報酬の場合あり

労働組合型が交渉できるのは、労働組合法で認められた団体交渉権が根拠です。
弁護士型はすべての法律事務に対応でき、対応範囲の広さでは最強といえます。
3タイプの失敗事例まで含めた詳しい違いは、退職代行で失敗しない選び方の記事で解説しています。

民間企業型・労働組合型でも目的を果たせるケース

「全員が弁護士型を選ばなければダメ」というわけではありません。
次のようなケースなら、民間企業型や労働組合型でも目的を果たせる可能性があります。

  • 会社と大きなトラブルがない
  • 未払い残業代や慰謝料の請求は考えていない
  • 有給消化などの交渉も不要
  • とにかく退職の意思だけ伝えてほしい

「もう顔も見たくない、声も聞きたくない。意思さえ伝われば十分」という状態なら、費用を抑えられる民間企業型・労働組合型は合理的な選択肢です。
ただしその場合も、運営元がどこなのかは必ず確認してください(確認方法は記事末尾のFAQで説明します)。

最初から弁護士型を選んだほうが安全なケース

一方で、次のどれか1つでも当てはまるなら、最初から弁護士型を選ぶのが安全です。
途中から「やっぱり交渉が必要」となっても、民間企業型では対応できないからです。

  • 未払い残業代がある
  • 有給消化を会社が拒否しそう
  • 退職金で揉めそう
  • パワハラ・セクハラの被害がある
  • 会社から損害賠償を請求されそう・懲戒解雇をちらつかされている
  • 契約社員・有期雇用で途中退職したい
  • 会社とすでに揉めている、退職後に法的トラブルへ発展しそう

ブラック企業からの退職は、残念ながらこのリストに当てはまることが多いのが現実です。
「うちの会社、まともに辞めさせてくれないかも」と少しでも感じるなら、交渉力のある依頼先を選んでおくほうが、結果的に安く済むことすらあります。

📌 今日できる一歩
上の2つのリストに自分の状況を当てはめて、該当する項目を数えてみましょう。
「弁護士型が安全なケース」に1つでも該当したら、弁護士型を軸に検討するのがおすすめです。

【実体験】ブラック企業に「誠実な退職交渉」は通じなかった

ここからは一般論ではなく、私自身の体験談です。
私は退職代行を使わずにブラック企業を辞めて、「最初から専門家に頼ればよかった」と後悔した側の人間です。
あくまで個人の経験として、一例として読んでください。

当時の職場は長時間のサービス残業が常態化し、社長に逆らった人が精神的に追い込まれて辞めていくような環境でした。
私は転職先の内定を得たうえで、退職予定日の2ヶ月半前という余裕をもって上司に退職を申し出ました。
上司も役員も理解してくれましたが、問題はワンマンな社長です。

役員ですら社長に話しかけるタイミングを伺う必要があり、私の退職が社長に伝わったのは申し出から1ヶ月後でした。
退職交渉の場では罵詈雑言を浴びせられ、挙げ句に退職日を5月31日から5月15日へ、一方的に半月も早められたのです。
最終出勤日に挨拶のお菓子を持っていっても、受け取りすら拒否されました。

後から知りましたが、会社が一方的に退職日を早めるのは法的に問題のある行為です。
このあたりの法的な論点は、円満退職の理由と損しない辞め方の記事で詳しく書いています。

そして一番悔やんでいるのは、お金の話です。
当時のサービス残業は月100時間近く。
未払い残業代の時効は3年なので、仮に時間単価2,000円で計算すると、2,000円×月100時間×36ヶ月=約720万円にもなります。
弁護士に依頼していれば、嫌な思いをせずに辞められたうえ、この請求まで任せられた可能性があったのです。

この経験から学んだのは、「相手がどう受け取るかはコントロールできない」ということです。
誠実に筋を通しても、通じない相手には通じません。
相手がどうしようもないと分かっているなら、自分で戦わずに専門家を間に入れるのは、甘えではなく合理的な判断だと今は思います。

📌 今日できる一歩
未払い残業代の請求には証拠が必要です。
在職中の今のうちに、PCのログなどで残業の記録を残し始めましょう。
具体的な手順はPCログでサービス残業の証拠を保存する方法の記事で画像つきで解説しています。

安全に退職代行を使いたい人へ|弁護士法人運営という選択肢

ここまで見てきたとおり、モームリ事件の教訓は「退職代行を使うな」ではなく、「適法に対応できる依頼先を選ぼう」です。
安全性を最優先するなら、弁護士法人が運営する退職代行が最も無難な選択肢になります。

弁護士なら、退職意思の通知だけでなく、退職日や有給消化の交渉、未払い残業代・退職金の請求、会社から損害賠償を請求された場合の対応、さらには労働審判・裁判まで一貫して対応できます。
「紹介」ではなく弁護士本人に直接依頼する形なので、今回のモームリ事件で問題になったような紹介料の構造も生じません。

たとえば弁護士法人ガイア総合法律事務所の退職代行は、弁護士運営でありながら民間企業に近い価格帯で依頼でき、有給休暇の消化交渉やサービス残業などの未払い賃金請求にも対応しています。
ただし未払い賃金などを回収した場合は成功報酬が発生するので、依頼前に料金体系を確認してください。
私自身はこのサービスを使う前に退職してしまったので、強みと注意点を調べてまとめた退職代行ガイアの口コミと評判の記事を判断材料にしてもらえればと思います。

📌 今日できる一歩
弁護士型の退職代行の公式ページを1つ開いて、「自分の状況(有給・未払い残業代・トラブルの有無)に対応してもらえるか」を確認してみましょう。
相談だけなら無料の窓口も多く、話を聞くだけでも気持ちが軽くなります。

モームリと退職代行に関するよくある質問

Q1. 退職代行を使うこと自体、違法だったり悪いことだったりしませんか?

退職代行を利用すること自体は違法ではありませんし、利用者が罪に問われることもありません。
今回問題とされたのは運営側の「報酬目的の弁護士あっせん」であり、サービスの利用とは別の話です。
退職は労働者の正当な権利であり、すでに離職者の約20人に1人が利用している、ごく一般的な手段になっています。

Q2. 弁護士に依頼すれば100%退職できますか?

「100%」と断定することはできません。
ただし、期間の定めのない雇用(正社員など)であれば、民法627条により退職の申し入れから2週間で雇用契約は終了するのが原則で、会社の承認は必要ありません。
弁護士はこの法的根拠に基づいて確実に手続きを進められる存在、と理解するのが正確です。

Q3. モームリは今も使えますか?

モームリは2026年4月に代表を交代し、法令遵守の徹底を掲げて営業を再開しています。
サービスとして利用できる状態にはありますが、裁判が続いている段階でもあるため、本記事では利用の可否を断定しません。
本文で紹介した3タイプの違いと自分の状況を照らし合わせて、納得できる依頼先を選んでください。

Q4. 民間企業型・労働組合型・弁護士型はどう見分ければいいですか?

公式サイトの運営者情報(特定商取引法に基づく表記)を確認するのが確実です。
運営元が「株式会社」なら民間企業型、「労働組合」なら労働組合型、「弁護士法人・法律事務所」なら弁護士型です。
「弁護士監修」という表記は弁護士型という意味ではないので、注意してください。
監修と運営は別物です。

まとめ|モームリ事件を「安全な辞め方」を知るきっかけに

最後に、この記事の要点を整理します。

  • モームリ前社長らの逮捕容疑の中心は、報酬目的で利用者を弁護士に紹介した疑い(弁護士法違反)
  • 初公判で起訴内容を認めたと報じられているが、判決は2026年8月28日予定で刑は未確定
  • 退職代行サービスそのものが違法と判断されたわけではない
  • 退職代行は民間企業型・労働組合型・弁護士型の3種類で、対応範囲が法律上異なる
  • 交渉やトラブルの可能性が少しでもあるなら、最初から弁護士型が安全

ニュースを見て退職代行に不安を感じたあなたは、「安全に辞める方法」を真剣に考えている証拠です。
それは決して後ろ向きなことではなく、自分の人生を自分で選ぶための準備です。

私のように「誠実に交渉したのに嫌な思いだけが残った」という辞め方をしてほしくありません。
まずは自分の状況を整理して、必要なら専門家の力を借りる。
その一歩が、消耗する毎日から抜け出す確実な道になります。

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