知ったかぶりは必ずバレる?仕事で損する理由と直し方を管理職が解説

「知ってます」と手を挙げて説明を遮る若手社員と、静かに見抜いている先輩。知ったかぶりがバレている職場の場面

会話の中で知らない言葉が出てきた瞬間、つい「あぁ、知ってます」と答えてしまった——。
そんな知ったかぶりの経験は、誰にでもあるのではないでしょうか。
知らないことがバレるのは恥ずかしい。
その気持ち自体は、ごく当たり前なものです。

ただ、先に結論をお伝えします。
知ったかぶりは、相手にはほぼバレています。
そして「知っている」と答えた瞬間、相手はそれ以上教えてくれなくなります
つまり知ったかぶりは、教わる機会・信頼・成長のチャンスを自分の手で潰してしまう行為なのです。

逆に言えば、「分かりません、教えてください」と言える人は、教えてもらえるうえに信頼もされます。
この記事では、ブラック企業10年を含めて製造業の品質管理・調達の現場で働き、管理職・教育担当として新人や部下に仕事を教える側も経験してきた私が、次の6つを順番に解説します。

  1. 知ったかぶりとは何か(誰にでもある心理であること)
  2. 知ったかぶりが必ずバレる理由
  3. 知ったかぶりする人の特徴と心理
  4. 仕事で確実に損する理由
  5. 知ったかぶりの直し方
  6. 職場の知ったかぶりする人への対処法

読み終わる頃には、「知らない」と言うことへの見方が変わっているはずです。
それでは、知ったかぶりの正体から見ていきましょう。

目次

知ったかぶりとは?誰にでもある心理です

最初に、知ったかぶりとは何かを短く整理します。
ここで大事なのは言葉の定義そのものよりも、「誰にでもある心理だ」という前提と、「仕事の場では意味が変わる」という線引きです。

知ったかぶりの意味=知らないのに知っているふりをすること

知ったかぶりとは、本当は知らないこと・よく分かっていないことを、知っているかのように振る舞うことです。
「知ったかぶりをする」「知ったかぶる」のように使われ、聞いたことがあるだけの言葉に「あぁ、あれですよね」と乗ってしまう場面が典型です。

ポイントは、ウソをつこうという悪意から出る行動ではないことです。
ほとんどの知ったかぶりは、「知らないと言うのが恥ずかしい」という気持ちから、ほとんど反射的に出てしまいます。

なぜ人は知ったかぶりをしてしまうのか=恥をかきたくないのは自然な感情

「無知だと思われたくない」という感情は、人間としてごく自然なものです。
会話に置いていかれたくない、場の空気を壊したくない、相手をがっかりさせたくない。
そうした気持ちが重なって、「知ってます」という言葉が口をついて出ます。

ですから、この記事は知ったかぶりをする人を責めるためのものではありません。
私自身にも経験がありますし、誰の中にもある心理です。
そのうえで、「社会人の仕事の場では確実に損をする」という事実を、教える側の目線からお伝えしていきます。

学生の雑談と社会人の仕事では「知ったかぶりの重さ」が変わる

友人との雑談で音楽や映画の知ったかぶりをしても、実害はほとんどありません。
しかし仕事の会話では話が別です。
仕事の「知ってます」には、お金と信頼が絡むからです。

私の新卒時代の失敗談です。
配属されて間もない頃、勤務先のこともよく分からないまま電話番をしていて、ある日、受注の電話を取りました。
長い付き合いの取引先だったようで、注文内容がすらすらと伝えられていきます。
必死にメモを取りましたが、会社名を聞き取れないまま電話が切れてしまいました。

このとき私は先輩に聞かず、なんとなくの名前の印象で過去の履歴を探し、「たぶんこれだろう」と自分の判断で受注登録をしました。
結果は間違いで、後でしっかり怒られました。
すぐに「聞き取れませんでした」と相談していれば、手がかりも解決方法もあったはずです。

分かっていないのに分かったふりで進めると、仕事ではミスという実害になって返ってくる。
これが、雑談の知ったかぶりとの決定的な違いです。

📌 今日できる一歩
最近の仕事の会話を思い返して、「実はよく分かっていないのに流した言葉」を1つ挙げてみてください。
それがこの記事を読み進めるときの、あなた自身の題材になります。

知ったかぶりが必ずバレる3つの理由

「うまくごまかせた」と思っていても、残念ながら知ったかぶりはバレています。
それも、あなたが思っているよりずっと早く、静かにバレています。
ここでは、教える側として多くの新人・部下と接してきた実感から、バレる理由を3つに整理します。

理由1. 少し質問されるだけで答えられない

知っている人には、相手の回答の浅さが一発で分かります。
内容を理解している人は具体的に答えられますが、単語を聞いたことがあるだけの人は、一歩踏み込まれた瞬間に言葉が止まるからです。

私がブラック企業で品質管理をしていた頃、中途入社の新人に測定機器の取り扱いを教える新人教育を担当したことがあります。
30代前半の方で、正社員はこの会社が初めて。
それまでは派遣として、いくつかの製造ラインで働いてきたそうです。

説明を始めようとすると、その方はこう言いました。
「あぁ、ISO9001ですね、知ってます」。
製造業ではISO9001はメジャーな規格なので、私は最初、「これまでの職場で学ぶ機会があったのだろう。それなら最低限の説明で済むな」と受け取りました。

ところが、「測定機器の校正は分かりますか?」「品質記録は聞いたことがありますか?」と質問を挟んでいくと、回答が止まりました。
もしかしたら言葉としては「知っている」のかもしれません。
しかし、理解はしていないなと確信した瞬間でした。
このように、知ったかぶりは、質問を2〜3個挟むだけで分かってしまうのです。

理由2. 単語は知っていても、会話の文脈がつながらない

質問されなくてもバレることがあります。
用語だけ知っている状態では、会話の端々で文脈がズレるからです。

本当に理解している人は、話題が展開しても自然についてきます。
一方、知ったかぶりの場合は、話が具体的になるほど相づちが浅くなり、発言が一般論に寄っていきます。
本人は話を合わせているつもりでも、聞いている側には「あれ、噛み合っていないな」という違和感が積み重なっていきます。

理由3. 経験者ほど一瞬で見抜く。そして指摘せず、静かに教えるのをやめる

ここが一番怖いところです。
経験者やその道のプロほど、知ったかぶりを一瞬で見抜きます。
そして多くの場合、「それ、本当は知らないですよね」とは指摘しません。
指摘する代わりに、静かにその人へ教えるのをやめ、深い話を振らなくなるだけです。

つまり、「指摘されないからバレていない」は誤解です。
バレていないと思っているのは、本人だけ——これが教える側の実感です。
心理学でも、知識や経験が浅い人ほど自分の理解度を過大評価しやすいことが、Kruger & Dunning(1999)の研究で報告されています(いわゆるダニング=クルーガー効果)。
「自分はうまくごまかせている」という感覚そのものが、あてにならないのです。

知ったかぶりがバレる瞬間と、そのとき相手が内心どう思っているかを表に整理します。

バレる瞬間の例相手が内心思っていること
会議で頷くだけで、質問が一つも出ない「本当に分かっていたら、確認したいことが出るはずだが……」
「あれですよね」と言うが、具体的な話に入らない「具体例が出ないということは、中身を知らないな」
質問に質問で返す・話をすり替える「答えられないから逃げたな」
説明がどこかで聞いた一般論ばかりになる「自分の言葉になっていない。経験がないんだな」

📌 今日できる一歩
「指摘されない=バレていない」ではないことを、まず受け入れてみてください。
ヒヤッとした記憶が1つでもあるなら、それはたいてい、相手には伝わっています。

知ったかぶりする人の特徴と心理

次に、知ったかぶりする人に共通する特徴と、その裏側にある心理を整理します。
目的は人物診断ではなく、「なぜ自分はやってしまうのか」を構造で理解することです。
構造が分かると、責める必要も、必要以上に恥じる必要もなくなります。

特徴=会話に現れる4つの行動パターン

教育担当として複数の新人・部下と接する中で、知ったかぶりには共通する受け答えの傾向があると感じてきました。
代表的なものは次の4つです。

  • 「知ってます」「聞いたことあります」が口癖になっている
  • 自分からは具体的な質問をしない(掘り下げられると困るため)
  • 頷きと相づちで話を合わせ、会話の主導権を取らない
  • 後になって、言っていたことの辻褄が合わなくなる

興味深いのは、本当に理解している人ほど質問が多いことです。
理解しているからこそ、確認すべきポイントが見えるからです。
逆に質問がまったく出ない「知ってます」は、教える側から見ると黄色信号です。

心理1. 無知だと思われる恥ずかしさ・プライド

一番大きいのは、「知らないと言ったら、できない人だと思われるのではないか」という恐れです。
知ったかぶりは、自分の評価を守ろうとする防衛反応と言えます。

特に、年次が上がってきた頃や、転職・異動した直後は要注意です。
「この年数で知らないとは言いにくい」「新しい職場で無知をさらしたくない」という状況のプレッシャーが、知ったかぶりを引き出しやすくします。

心理2. すごいと思われたい承認欲求と、置いていかれる不安

「物知りだと思われたい」という承認欲求も、知ったかぶりの燃料になります。
また、会話のテンポが速い場では、「話を止めたら空気を壊す」「自分だけ置いていかれる」という不安から、分かったふりで乗り切ってしまうこともあります。

どちらも、その場をしのぐには役立ちます。
ただ、しのげてしまうからこそ癖になり、気づけば「知ってます」が口癖になっていくのです。

心理3. 自信のなさの裏返し——できる人ほど平気で「知らない」と言える

知ったかぶりの根っこには、自信のなさがあります。
実力に自信がある人は、知らないことがあっても自分の価値が揺らがないため、平気で「知りません、教えてください」と言えます。
一方、自信の土台が細い人ほど、「知らない」の一言が自分の全否定に感じられ、言えなくなります。

つまり、知ったかぶりを直すことは、小手先の話し方ではなく自信の育て方の問題でもあります。
自信の土台の作り方は自信をつける方法の記事で詳しく解説しています。

ここまで3つの心理を見てきましたが、恥ずかしさも、承認欲求も、自信のなさも、どれも誰の中にもある心理です。
だからこそ、性格を責めるのではなく、次の章で見る「損の大きさ」を知ることが、直すための一番の近道になります。

📌 今日できる一歩
自分が知ったかぶりをしやすい場面(相手・話題・状況)を1つ特定してみてください。
「上司との会議」「取引先との雑談」など、場面が特定できれば対策が打てるようになります。

知ったかぶりが仕事で確実に損する4つの理由

「知ってます」と答えると教わる機会の扉が閉じ、「教えてください」と言えると扉が開く対比の図解

ここからが、この記事で一番伝えたいことです。
知ったかぶりの本当の問題は、「恥をかくかもしれない」ことではありません。
バレるかどうかにかかわらず、知ったかぶりをした時点で確実に発生する損があるのです。

損1. 「知っている」と答えた時点で、相手はそれ以上教えてくれない

最大の損はこれです。
「知っている」と答えた瞬間、教わる機会は自分の手で閉じられます
相手からすれば、知っている人に説明するのは失礼ですし、時間の無駄でもあるからです。

先ほどのISO9001の新人教育の話には、続きがあります。
あの場は新人教育だったので、私は質問を交えながら、予定していた内容を最後まで教えました。
測定機器の説明にはISO9001の話が必要だったからです。

しかし、あくまで私個人の本音を言えば——普段の仕事の場面であれば、相手が知ったかぶりしていることに気付いたら、それ以上教えることは基本的にありません。
知ったかぶりをするということは、本人が教えを必要としていないということ。
求めていない相手への説明は、お互いの時間を使うだけで不毛だからです。

これは意地悪ではなく、忙しい現場の合理的な判断です。
教える側は、教えを求めている人に時間を使います。
「知ってます」の一言は、その優先順位から自分を外す申告になってしまうのです。

損2. バレた瞬間に、信頼を失う

知ったかぶりがバレると、失うのはその話題の信用だけではありません。
「この人の『知ってます』は信用できない」となり、以後の発言がすべて割り引いて聞かれるようになります。

あのISO9001の新人は、その後も知ったかぶりの癖が抜けなかったようで、配属先で苦戦していたと聞きました。
最終的には周囲の誰からも話を信用してもらえなくなり、会社を去ってしまいました。
責めたい話ではありません。
ただ、「知ってます」の積み重ねが信頼をどれだけ削るかを、私はこのとき目の当たりにしました。

評価する側は、発言の中身が本物かどうかを見ています。
評価される人の条件については、出世する人・できない人の違い14選でも「評価する側の本音」として詳しく書いています。

損3. 知らないまま仕事が進み、ミス・トラブルの火種になる

知ったかぶりのまま仕事が進むと、「知らない」という事実は消えずに、工程の中に埋まります。
そして、たいてい一番まずいタイミングで表面化します。

品質管理の仕事をしていると、これを痛感します。
「分かったつもり」で進んだ作業は、不良やクレームという形で必ず後工程に現れるからです。
検査基準を分かったふりで流せば不良品が市場に出ますし、取り扱いを分かったふりで進めれば設備や製品を壊します。
雑談の知ったかぶりと違って、仕事の知ったかぶりには実害があるのです。

損4. 「聞ける人」との差が、数年単位で開いていく

聞けば1分で済むことを、聞けないまま何年も過ごす。
この差は、1回ごとには小さくても、確実に積み上がります。

しかも、働きながら学び続ける人はもともと少数派です。
厚生労働省の「令和6年度能力開発基本調査」では、自己啓発を行った労働者は36.8%
働く人の3人に2人は、仕事に関する学びを何もしていない計算です。
文化庁の「国語に関する世論調査」(令和5年度)でも、1か月に本を1冊も読まない人が62.6%と、世の中全体で見ても学ぶ人は少数派です。
だからこそ、素直に教わって吸収できる人は、それだけで頭一つ抜けていきます。

知ったかぶりする人と、正直に聞ける人。
その場では小さな違いですが、時間が経つとこれだけの差になります。

スクロールできます
時間軸知ったかぶりする人正直に聞ける人
その場恥をかかずに済む(ように見える)少しだけ勇気が要る
半年後教わる機会が減り、質問しづらくなる周囲が自然に教えてくれるようになる
3年後浅い理解のまま。発言が信用されにくい知識と信頼が積み上がり、仕事を任される

社会人の学びの実態と「少数派だからこそ差がつく」構造は、社会人はどれくらい勉強してる?今日から始めれば差がつく大人の習慣で詳しく解説しています。

📌 今日できる一歩
「知ったかぶりで失うもの」を自分の言葉で1行にしてみてください。
例:「知ってますと言うたびに、タダで教われるチャンスを捨てている」。
損がはっきり見えると、行動は変わり始めます。

知ったかぶりの直し方|「分かりません、教えてください」と言える人になる

損の構造が分かったところで、ここからは直し方です。
結論はシンプルで、「分かりません、教えてください」と言えるようになること。
ただ、それが難しいから悩むわけです。
言いやすくするコツを、評価する側の実感とあわせて紹介します。

結論:「分かりません」は恥ではなく、信頼される言葉

「知らないと言ったら、無能だと思われるのではないか」。
この不安に、教える側・評価する側の立場から正面で答えます。
逆です。
教える側は、正直に「分かりません」と言える人をこそ信頼します

理由は単純で、正直に聞ける人の「知ってます」は信用できるからです。
分からないことを分からないと言う人は、発言全体の信頼性が上がります。
さらに、質問してくれる人には教えがいがあるので、こちらも自然と多くのことを教えたくなります。
知ったかぶりとは真逆の循環が回り始めるのです。

もちろん、同じことを何度も聞けば評価は下がります。
下がるのは「知らないこと」ではなく「学ばないこと」への評価です。
ここを混同しないことが、不安を手放す鍵になります。

言い方のコツ=丸投げにせず、「どこまで分かるか」を切り分ける

「教えてください」と言いにくいときは、丸投げの質問になっているケースがほとんどです。
「全然分からないので教えてください」では、相手の負担が大きく、自分も無知をさらした気分になります。

おすすめは、「○○までは分かるのですが、△△が分かりません」という切り分けです。
たとえば「ISO9001が品質の規格だということは分かるのですが、実際の業務で何をするのかが分かりません」のように言えば、相手は必要なところだけ教えられます。
切り分けて聞ける人は、むしろ「考えてから聞いている」と評価されます。

いまさら言い出せない話題には、「改めて確認したいのですが」「理解が浅いので教えてほしいのですが」という言い直しの言葉が使えます。
過去の「知ってます」を訂正する必要はありません。
今日から確認に切り替えれば十分です。

教わったら二度聞かない工夫=メモ→調べ直す→自分の言葉で説明できる状態にする

「分かりません」を信頼に変えるには、教わった後の行動がセットです。
やることは3つだけです。

  1. 教わったことをその場でメモする
  2. 後で自分で調べ直して、理解の穴を埋める
  3. 次は自分の言葉で説明できる状態にしておく

ここまでやると、知ったかぶりだった言葉が「本当に知っている」言葉に変わります。
自分の言葉で説明できるかどうかが、知ったかぶりと本物の知識の境界線です。

「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」は、仕事では文字通り

昔から「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」と言いますが、仕事ではこれが比喩ではありません。
聞かないまま進めば、教わる機会・信頼・成長という損が、文字通り積み重なっていくからです。

私自身、正直に「分かりません」と言って得をした経験があります。
台湾で勤務して1年ほど経ち、仕事に慣れてきた頃のことです。
外注先で加工していた製品に、加工不良が発生しました。
私はもともと加工の専門知識がなく、目の前の製品が「加工不良である」ことしか分かりませんでした。

商談の場で、私は知ったかぶりをせず、正直に「原因と対策が分からないので、一緒に考えてほしい」と外注先に伝えました。
すると、加工方法の説明から始まり、発生原因と思われる内容、発生対策と流出対策まで、その場で一緒に議論できたのです。
その後、同様の不良は発生しませんでした。

もし私が知ったかぶりで独断の指示を出していたら、的外れな対策になっていたでしょう。
逆に「原因調査して対策してください」と丸投げしていたら、回答が妥当かどうか判断できなかったはずです。
現場で機械と製品を見ながら教えてもらえたことで、問題が解決しただけでなく、私の知識も一つ増えました。
「分かりません」は、損どころか一番の近道だったのです。

📌 今日できる一歩
明日、知らない話題が出たら一度だけ「すみません、勉強不足で知らないので教えてください」を使ってみてください。
それで嫌な顔をする人はほとんどいません。
教える側は、正直に聞いてくれる人にこそ教えたくなるからです。

職場の知ったかぶりする人への対処法

ここまでは「自分が直す」話をしてきましたが、最後は逆の立場です。
職場に知ったかぶりする人がいてイライラする、仕事に支障が出て困っている。
そんなときの現実的な対処法を、教育担当としての実務経験からまとめます。

イライラの正体=会話が噛み合わず、仕事のリスクになるから

知ったかぶりする人にイライラするのは、性格が合わないからではありません。
会話が噛み合わず時間を取られるうえ、「分かっていないまま進むと自分の仕事に跳ね返ってくる」というリスクを感じるからです。
そのイライラは、仕事に真剣だからこそ生まれる自然な感情です。

対処1. 軽く質問して、理解度を確かめる

「知ってます」と言われたら、責めずに軽い質問を挟みます。
「どこまでご存知ですか?」「具体的にはどの部分をやったことがありますか?」と聞けば、理解度は自然に分かります。

コツは、詰問にしないことです。
問い詰めるためではなく、「どこから説明すればいいかを知るため」の質問だと自分の中で位置づけると、口調も自然になります。
新人教育で私が使ってきた、実務上の確認方法です。

対処2. 仕事が絡むなら「知っている前提」で進めない

仕事の話であれば、相手の「知ってます」を鵜呑みにして進めるのは危険です。
要点を復唱してもらう、手順書やメールで内容を残す、節目で理解の確認を挟む。
この一手間で、「分かったふりのまま進んで後で事故になる」リスクを大きく減らせます。

対処3. 相手を変えようとしない——プライドの問題は本人にしか直せない

「知ったかぶりを自覚させて直させたい」と思うかもしれませんが、これはおすすめしません。
知ったかぶりの根っこは本人のプライドと自信の問題で、他人が指摘して直るものではないからです。
指摘すればするほど、相手は防衛的になります。

変えられるのは、自分の対応(質問で確認する・前提にしない)までです。
この「相手の課題と自分の課題を分ける」考え方は、言うことを聞かない部下に疲れた管理職へで詳しく解説しています。

教える立場なら=責めずに、質問を交えた教え方で拾う

部下や新人の知ったかぶりに気づいたときは、責めるより教え方で拾う方が早いです。
私はISO9001の新人のときも、「知らないですよね」とは言わず、質問を交えながら予定どおりの内容を最後まで説明しました。
質問を挟む教え方なら、相手のプライドを傷つけずに、理解の穴だけを埋めていけます。

あわせて、「分からないと言っても大丈夫」という空気を作れると、知ったかぶり自体が減っていきます。
初めて後輩を教える人向けの基本は、部下育成は何から始める?初めて後輩を教える人が押さえる5つの基本にまとめています。

📌 今日できる一歩
職場の知ったかぶりが気になったら、次の会話で「具体的にはどの部分をご存知ですか?」と一度だけ聞いてみてください。
責めずに理解度が分かり、その後の進め方が楽になります。

知ったかぶりに関するよくある質問

Q1. 知ったかぶりは病気ですか?

病気ではありません。
知らないと思われる恥ずかしさやプライドから来る、心理的な癖です。
誰にでも起こる自然な反応で、損の構造を理解して言い方を変えれば、意識的に直していけます。
本記事は一般的な情報提供であり、気分の落ち込み等が続く場合は専門の窓口に相談してください。

Q2. 知ったかぶりをする人の心理は何ですか?

主な心理は3つで、無知だと思われる恥ずかしさ(プライド)、すごいと思われたい承認欲求、そして自信のなさの裏返しです。
どれも誰の中にもある心理なので、責めるより構造を知る方が、自分を直すにも相手に対応するにも役立ちます。
詳しくは本文の「知ったかぶりする人の特徴と心理」の章をご覧ください。

Q3. 知ったかぶりと「なんでも知ってる人」(本当に博識な人)の違いは?

境界線は「質問への強さ」と「知らないと言えるか」です。
本当に知っている人は具体的な質問に自分の言葉で答えられ、知らない領域では平気で「それは知りません」と言います。
逆に、どの話題にも「知ってます」と言うのに具体的な話になると答えられない場合は、知ったかぶりの可能性が高いです。

Q4. 知ったかぶりをするデメリット・短所は何ですか?

大きく4つあります。
「知っている」と答えた時点で教わる機会を失う、バレた瞬間に信頼を失う、知らないまま仕事が進んでミスの火種になる、そして聞ける人との差が数年単位で開いていくことです。
それぞれの構造は本文の「仕事で確実に損する4つの理由」で詳しく解説しています。

Q5. AI(ChatGPT)も知ったかぶりをするのですか?

AIが事実でないことをもっともらしく答えてしまう現象は「ハルシネーション」と呼ばれ、知ったかぶりに似た構造だとよく言われます。
人もAIも、もっともらしい浅い答えは検証されるとバレる点は共通です。
だからこそ、人間側は「知らないことは知らないと言い、確認する」姿勢そのものが価値になります。

Q6. 職場の知ったかぶりする人がうざい・イライラします。どう対処すればいいですか?

軽い質問で理解度を確認し、仕事では「知っている前提」で進めないことが基本です。
復唱や記録で理解の確認を挟めば、実害は大きく減らせます。
そのうえで、相手を変えようとしないこと。
知ったかぶりの根っこは本人のプライドの問題で、他人が直せるものではないからです。

まとめ:知らないことは恥ではなく、伸びしろです

最後に、この記事の要点をまとめます。

  • 知ったかぶりは誰にでもある心理。ただし仕事ではお金と信頼が絡む
  • 質問への浅さ・文脈のズレで必ずバレる。指摘されないのは「バレていない」からではない
  • 「知っている」と答えた時点で、教わる機会・信頼・成長を自分で手放している
  • 直し方は「○○までは分かるが△△が分からない」の切り分けと、教わったら二度聞かない工夫
  • 周りの知ったかぶりには、軽い質問での確認と課題の分離で対応する

知ったかぶりは、性格の欠陥ではありません。
恥をかきたくないという自然な心理の癖であり、癖である以上、今日から変えられます。
そして「知りません」と言えた瞬間から、教わる機会と信頼は戻ってきます。
知らないことは恥ではなく、これから伸びる余地——つまり伸びしろです。

この記事を閉じる前に、今日ごまかしてしまった言葉・実はよく分かっていない言葉を1つ、ノートに書き出してみてください。
そして明日、「実はよく分かっていないので教えてください」と聞いてみる。
その一言が、教わる側から信頼される側へ変わる最初の一歩になります。

次に読むなら

参考・出典

ランキングに参加しています。よろしければ応援クリックをお願いします。

ブログランキング・にほんブログ村へ
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次