辞めると決めているのに、上司に退職を言い出せない。
「今日こそ言う」と決めて出社したのに、言いづらくて声をかけられないまま、また一日が終わってしまう。
辞めたいと言えない日が続くと、帰り道で自分を責めたくなる、そんな人も多いと思います。
先にお伝えすると、切り出す勇気を振り絞る前に、決めておくことが1つあります。
それは「いつまでに言うか」です。
期限を決めたら、次にやるのは退職の話そのものではなく、上司に時間をもらう一言だけ。
「今日どこかでお時間頂けませんか?」。
この一言さえ出せれば、あとは席についてからの最初の1文で足ります。
私はブラック企業に約10年勤めた経験者で、現在は東証プライム上場企業の品質管理部門で働く現役会社員です。
これまでに3回、退職を自分の口で伝えてきました。
新卒で入ったメーカー、未経験で入った洋食店、そして約10年勤めたブラック企業です。
初めての退職では、いつまでに言うかを自分で決めていたのに、ギリギリまで切り出す勇気が出ませんでした。
面と向かって言えずに日報に退職を書いてしまった、という経験もあります。
上司には伝えられたのに、社長に話が届くまで1ヶ月以上かかった会社もありました。
ただし、相手によっては、自分の口で伝えなくていいケースもあると感じています。
退職を口にした途端に、脅されたり、退職を認めてもらえなかったりする相手の場合です。
そういう相手なら退職代行に任せていい、と私は考えています。
その線引きも、記事の後半でお話しします。
この記事では、次の5つを順番にお伝えします。
- 退職を言い出せない・言いづらい怖さの正体
- 上司は3タイプ。自分の口で伝えて大丈夫な相手かの見極め方
- 切り出す勇気が出ないときに、最初にやること
- 退職を伝えるのが怖い相手のケース
- 次の職場が決まっていないから言えない人が、先に決めること
それでは、「なぜ言い出せないのか」という怖さの正体から、順番に見ていきましょう。
退職を言い出せない・言いづらい怖さの正体|『いつ言うか』が決まっていないだけかも
「今日は上司の機嫌が悪そうだ」「今日は会議が多い」「今は忙しい時期だから」。
言わない理由は、毎日見つかります。
怖さの中身は3つ|相手の反応・言った後のこと・自分の中で決め切れていないこと
「今日言うつもりだったのに、言えなかった」。
Q&Aサイトには、このような相談が何年も繰り返し投稿され続けています。
退職を言い出せないのは、珍しいことではありません。
言い出せない理由はいろいろ語られますが、整理すると3つにまとまります。
相手の反応が読めない怖さ、言った後を想像してしまう怖さ、そして、いつ言うか・次の職場をどうするかを自分の中で決め切れていない怖さです。
| 言い出せない理由 | 怖さの正体 | こう考える |
|---|---|---|
| 上司が怖くて、何を言われるか読めない | 相手の反応 | 上司がどんな人かで、伝え方は変わる |
| 人手不足で申し訳ない | 言った後のこと | 誰に引き継ぐかを決めるのは会社の仕事なので、早く伝えて時間を渡す |
| お世話になった上司を裏切るようで言えない | 言った後のこと | 感謝と退職は別の話で、感謝は引き継ぎで返せる |
| 言った後が気まずい | 言った後のこと | 伝えた直後が重く、日が経つほど薄れていく |
| 引き止められそう | 相手の反応 | 退職日まで決めて「報告」として伝える |
| 次の職場が決まっていない | 自分の中で決め切れていないこと | 先に決めるのは「次の職場」 ※後半の「次の職場が決まっていないから言えない人へ」で |
この中で、多くの人の手を止めているのが、職場や同僚への申し訳なさではないでしょうか。
その気持ちは、無理に割り切る必要はないと私は考えています。
ただ、申し訳なさの使い道は、言わずに先延ばしすることではなく、引き継ぎです。
伝えるのが1週間早ければ、会社が引き継ぎ相手を決める時間も、あなたが仕事を引き継ぐ時間も、1週間増えます。
私も退職が決まってからは、残る同僚への引き継ぎを精一杯やりました。
申し訳ないという気持ちがあるなら、なおさら早く伝える。
それが同僚のためになるのです。
切り出す勇気より先に、「いつまでに言うか」を決める
期限が決まっていないと、「今日でなくてもいい」が毎日続きます。
上司の機嫌がいい日、仕事が落ち着いた日を待っているうちに、2週間、3週間と過ぎていくのです。
私が新卒で入ったメーカーを辞めたときは、先に自分の中でタイムリミットを決めました。
期間の定めのない雇用なら、法律上は退職の申し入れから2週間で雇用は終了するとされています(民法 第627条)。
ただ、現実には引き継ぎがあり、会社は新しい人の採用も考えなければなりません。
2週間では足りないと考えて、「退職日の1〜1.5ヶ月前までには伝える」と決めたのです。
次の会社の入社日が決まっているなら、退職日はその前日までのどこかです。
そこから、就業規則の申し出期限と引き継ぎに必要な日数をさかのぼった日が、あなたの期限になります。
私が期限を決められたのも、次の会社が決まっていたからでした。

期限を決めれば勇気が要らなくなる、とは言いません。
私自身、期限を決めたあともギリギリまで切り出せませんでした。
それでも、期限があったから、最後の一瞬に動けたのだと思っています。
その場面は、このあとの退職を切り出す勇気が出ないときでお伝えします。
期限とあわせて押さえておきたいのが、伝える形です。
退職は「相談」ではなく、決まったことの「報告」として伝えます。
相談の形にすると、相手は「まだ変えられる」と受け取り、引き止めの交渉が始まりやすくなるからです。
報告として伝える考え方は、円満退職が良い4つの理由で紹介しています。
言えないまま先延ばしにすると起きること
言えない日が続くと、次のことが起きます。
- 次の会社の入社日は動かないのに、引き継ぎに使える期間だけが削られていく
- 追い詰められると、書き置きやメールだけで済ませるなど、あとで後悔する形で伝えてしまう
実は2つ目の例は、私の体験談です。
メーカーを辞めたあと、私は未経験で洋食店に入りました。
店長は寡黙で、仕事にすごく厳しい人。
毎日のように叱られ、仕事についていけず、周りに迷惑をかけていると感じていました。
試用期間が終わる頃、私は辞めようと決めました。
でも、店長が怖い。
同時に、申し訳ない気持ちもありました。
面と向かって伝えたとき、どんな反応が返ってくるのか想像できなかったのです。
結局、私は毎日提出していた日報に「試用期間をもって退職させてください」と書きました。
日報は、そういう内容を伝えるための道具ではありません。
いま振り返ると、相手への敬意が欠けた伝え方だったと反省しています。
上司は3タイプ|自分の口で伝えて大丈夫な相手か、先に見極める
退職を最初に伝える相手は、原則として直属の上司です。
ただ、上司にもいろいろなタイプがいます。
あなたの上司がどのタイプかで、伝え方は変わります。
直属の上司に言いたくない、と感じている人もいると思いますが、まずは上司のタイプを確かめてみましょう。
| 相手のタイプ | 見分けるサイン | 伝え方 |
|---|---|---|
| ①普通に話せる上司 | 普段から普通に会話ができて、過去に辞めた人のことを悪く言わない | 時間をもらい、決まったことの報告として伝える |
| ②怖いけれど、話は通じる上司 | 仕事に厳しくよく叱られるが、叱る中身は仕事のことで筋が通っている | 1対1になれる時間と場所を選び、自分の口で伝える |
| ③脅す・認めない相手 | 退職を「裏切り」と言う、こちらの話を聞かず頭ごなしに否定する、過去に辞めた人が脅された | 自分の口で伝えることにこだわらず、録音と第三者を先に準備する |
①普通に話せる上司|時間をもらって、報告として伝えれば足りる
普段の仕事で会話が普通に成り立っていて、辞めた人を悪く言うこともないなら、あなたの上司はこのタイプです。
普段は話せるのに、退職の話になると反応が読めない。
怖さの中身は「読めない」ことで、相手そのものが危険なわけではありません。
私がブラック企業を辞めたとき、直属の上司は気さくな人でした。
世間話もするし、冗談も言い合える関係です。
この人になら自分の口で伝えて大丈夫だと判断し、内定が出たあとに申し出ました。
実際、上司も、その上の役員も、私の退職に理解を示してくれました。
②怖いけれど、話は通じる上司|1対1になれる場面を選び、自分の口で伝える
日報に退職を書いてしまった洋食店の店長は、このタイプでした。
日報を読んだ店長は、私を叱りませんでした。
「未経験で入ってきて、3ヶ月で何もできないのは当たり前。もうちょっと頑張ってみたらどう?」。
そう言って、背中を押してくれたのです。
私は続けることにしました。
それから数ヶ月後、次の仕事が決まり、今度こそ辞めることになりました。
1回目は日報で伝えるという無礼を働いたので、2回目はちゃんと自分の口から言おうと決めていました。
選んだのは、閉店後に店長が1人になるタイミングです。
同僚がいる場面で引き止められたら、断れない空気になるかもしれない。
それに、誰かが同席している状態で店長に伝えるのは違う。
そう思ったからです。
店長には、退職の理由を聞かれました。
私が伝えたのは、店への不満ではなく、自分の不甲斐なさです。
「これ以上、周りに迷惑をかけることに耐えられません。ご迷惑をおかけしました」。
店長の返事は、「退職日まではビシビシ行くからな」でした。
最終出勤日には、寡黙な店長が花束を用意してくれていました。
怖い上司だからといって、自分の口で伝えられないとは限りません。
同じ相手でも、日報で伝えたときと、1対1で自分の口から伝えたときとでは、結果が変わりました。
叱られることが多くても、叱る中身に筋が通っている上司なら、場面を選べば話は通じると思います。
③脅す・認めない相手|自分の口で伝えることにこだわらなくていい
ブラック企業の社長は、このタイプでした。
従業員100人未満の会社だったので、退職の話は最後に社長へ届きます。
一筋縄ではいかない相手だということは、伝える前から分かっていました。
社長との面談では、私が伝えた退職理由は否定され、「一日でも早く逃げ出したいだけだろ」という趣旨のことを言われました。
同じ会社には、私の身内も働いていました。
面談の中で、その身内のことが話に出ました。
自分が言い返せば身内の立場が悪くなるかもしれないと考えると、私は何も反論できなかったのです。
見分けるサインは、表に挙げたとおりです。
そういう相手なら、自分の口で伝えることにこだわる必要はありません。
この記事の後半の退職を伝えるのが怖い相手のケースへ進んでください。
📌 今日できる一歩
上の表を見て、あなたの上司と、最終的に退職の話が届く相手(小さな会社なら社長)が、どのタイプに近いかを確かめてください。
判断の材料は、普段の会話が成り立っているかと、過去に辞めた人がどう扱われていたかの2つです。
退職を切り出す勇気が出ないとき|上司に時間をもらう一言だけ、先に出す
上司が①か②のタイプなら、自分の口で伝えられます。
それでも声をかけられないのは、退職の話をいきなり切り出そうとしているからかもしれません。
越えるのが難しいのは、退職の話そのものより、その手前の「きっかけの一言」です。
最初にやるのは、上司に時間をもらう一言だけ
新卒で入ったメーカーを辞めるとき、つまり初めての退職のとき、私は不安でいっぱいでした。
何を言われるか分からない。
どう振る舞えばいいのかも分からない。
次の会社も、いつまでに言うかの期限も決まっていたのに、ギリギリまで切り出す勇気が出ませんでした。
ある日、たまたま上司の周りに誰もいない瞬間ができました。
「今を逃したら伝えられない」。
そう思って勇気を振り絞り、席に座っている上司に、こっそり声をかけたのです。
「今日どこかでお時間頂けませんか?」。
少し時間を置いて、上司は会議室に呼んでくれました。
このとき私が口にしたのは、退職の話ではなく、時間をもらう一言だけです。
あなたも、退職の話をどう切り出すかの台本は後回しで構いません。
先に、この一言だけを用意してください。
期限を決めてあれば、上司の周りに誰もいない瞬間が来たときに、迷わず動けます。
ワンフロアで常に周りに人がいて、その瞬間が来ない職場もあるでしょう。
その場合は、メールやチャットで時間をもらえば十分です。
「本日の終業後、10分ほどお時間をいただけますか。ご報告したいことがあります」。
定期の面談が近いなら、その時間を使う方法もあります。
メールで取るのは時間の約束だけにして、退職の話そのものは顔を合わせて伝えます。
時間は上司に余裕がある終業後、場所は会議室など1対1で話せる部屋を選んでください。
約束を取ってしまえば、その約束があなたの背中を押してくれます。
席についたら、最初の1文で退職日まで伝える
会議室で、私は「退職を考えています」と切り出しました。
上司に外出の予定があったため、詳しい話はその日の終業後になりました。
近所で食事をしながら、私は退職の理由を伝えました。
返ってきたのは「もう少し頑張ってみたら」という趣旨の引き止めです。
翌日、私は退職届を持って、もう一度上司に伝えました。
前日に話を済ませていたので、この日はそれほど迷いませんでした。
次の会社に迷惑はかけられない。
その気持ちにも背中を押されたのです。
上司の返事は「気持ちは変わらないんだね」の一言です。
いま振り返ると、「考えています」は相談の形でした。
そのため、引き止めと伝え直しで、やり取りが1往復増えたのです。
席についたら、最初の1文に退職日まで入れてください。
「◯月◯日で退職させてください。引き継ぎの進め方は、ご相談させてください」。
言い方はお願いの形でも、日付が入っていれば、上司には決めたこととして伝わります。
相談するのは引き継ぎの進め方で、退職するかどうかではありません。
退職日は、自分から出します。
目安は、先にお伝えした期限の考え方と同じです。
伝えたあとの退職届の出し方や引き継ぎの進め方は、退職の流れガイドにまとめています。
言った後の気まずさは、最初がいちばん重い。日が経つほど薄れていく
「言った後の1〜2ヶ月が気まずくて耐えられない」。
そう考えて言い出せない人も多いと思います。
私の経験では、気まずさは伝えた直後が重く、日が経つにつれて少しずつ薄れていきました。
完全に消えることはありませんでしたが、退職日という終わりは決まっています。
ブラック企業を辞めるときは、態度が変わる人と、変わらない人がいました。
居心地が良かったとは言えません。
それでも、退職を伝えた上司と役員は、最後まで応援してくれました。
私は残る同僚への引き継ぎに力を注ぎ、それが退職日までの自分の居場所になりました。
当時の同僚の何人かとは、辞めたあとも普通に連絡を取り合っていて、たまに飲みに行きます。
一緒に仕事をしてきた関係は、退職を伝えたくらいでは壊れませんでした。
伝えたあとに「後任が決まるまで待ってほしい」と引き止められたときの返し方や、就業規則の申し出期限との関係は、会社が辞めさせてくれないで確認できます。
📌 今日できる一歩
上司に時間をもらう一言を、スマホのメモに1行で書いてください。
口頭で言う言葉でも、メールの文面でも構いません。
その下に、席についたときの最初の1文を、退職日を入れて書いておきましょう。
退職を伝えるのが怖い相手のケース|自分の口で伝えなくていい。代わりに伝えてもらう方法がある

ここからは、上司や社長が③のタイプ(脅す・認めない相手)に当てはまる人に向けてお伝えします。
厚生労働省の「令和7年度個別労働紛争解決制度の施行状況」によると、民事上の個別労働関係紛争の相談は27万7,053件。
相談内容の内訳では、自己都合退職が3万8,386件で、いじめ・嫌がらせに次ぐ2番目の多さでした。
退職をめぐる会社とのトラブルを相談する人は、実は少なくないのです。
「伝えるのが気まずい」と「伝えたら何をされるか分からない」は別物
ここで、退職代行についての私の考えをお伝えします。
上司は普通に話せる人なのに、気まずいから、切り出すのが面倒だから、という理由で退職代行を使うことには反対です。
言いにくいことを自分の口で伝える場面は、退職のときだけでなく、次の職場でも来ると思うからです。
でも、退職を口にした瞬間に怒鳴られる、脅される、「辞めさせない」と言われる。
そういう相手に苦しめられている人が、自分を守るために使うことには大賛成です。
言い出せない理由が相手の側にあるなら、自分の口で伝えることにこだわる必要はありません。
なお、「自分の口で伝えなくていい」は、黙って出社をやめていい、という意味ではありません。
弁護士や労働組合が運営する退職代行は、あなたの代わりに退職の意思を会社へ伝える手段で、無断で出社をやめること(いわゆるバックレ)とは別のものです。
こっそり、必ず録音する|部屋に入る前に録音を始めておく
脅すタイプの相手と話さなければならないときは、会話の内容を録音しておくことをおすすめします。
相手に「録音します」と伝える必要はありません。
必ずこっそりと録るようにしましょう。
暴言や脅しは、あとから録り直すことができません。
もしも録音していると気づかれれば、相手は言葉を選ぶようになってしまいます。
私が録音したのは、退職のときの社長面談だけです。
関係の良かった上司との会話は、録りませんでした。
社長に呼ばれたとき、社長室に入る直前にスマホの録音ボタンを押し、ズボンのポケットに入れてから部屋に入りました。
「バレたらどうなるのか」と心配になる人もいるでしょう。
自分が当事者として同席している会話の録音は、一般に違法とはされておらず、いざというときの証拠として使える可能性が高いとされています。
それに、録音に気づいて激しく怒る相手なら、その反応そのものが、自分の口で伝えなくていい相手だと判断する材料になります。
録音されて怒るのは、残されて困ることを言っている自覚があるからだ、と私は考えています。
だから私は、後ろめたさを感じずに録音しました。
もちろん、やましいことが無くても、録音されたと知れば良い気はしない人もいるでしょう。
だからこそ、相手に悟られないように録るのです。
注意点は2つあります。
- 録音の使い道は、相談先に渡す証拠だけにする
- 就業規則で録音が禁止されていないかを確かめる
録音は、弁護士や労働基準監督署などの相談先に、証拠として渡すためのものです。
社内の人に聞かせたりSNSに出したりすると、別の問題になるおそれがあります。
また、就業規則で社内での録音を禁じている会社もあります。
気になる場合は、録る前に弁護士や総合労働相談コーナーへ相談しておくと安心です。
録音は、使わずに済めばそれでいい、保険のようなものです。
自分の口で伝えるか、第三者に任せるかの分かれ目
分かれ目は、相手と「交渉」が必要になるかどうかです。
伝える前から脅されている、有給休暇を認めないと言われている、未払いの残業代がある。
こうした場合は、会社と交渉できる第三者、つまり労働組合が運営する退職代行か、弁護士の出番になります。
なお、有給休暇は労働基準法 第39条で定められた労働者の権利です。
どこに相談すればいいか分からないときは、厚生労働省の総合労働相談コーナーが無料の窓口になります。
私は、関係の良かった上司には自分の口で伝えました。
ところが、そこから社長に話が届くまでに、1ヶ月以上かかったのです。
次の会社の入社日は決まっているのに、退職日が決まらない。
転職エージェントからは、退職日を確認する電話が定期的にかかってきます。
動けないまま板挟みになる時間は、想像以上のストレスでした。
いま振り返れば、自由に動ける身だったなら、あの社長に対しては退職代行を使っていたと思います。
関係の良かった上司には、先に自分の口で事情を話しておく。
最終出勤日も上司と相談して決めたうえで、社長への連絡だけを退職代行に任せる、という形です。
退職代行を使うことと、お世話になった人に筋を通すことは、両立できると私は考えています。
同じ会社に身内がいたので選べなかった道ですが、私の場合はそうしたかった、という話です。
弁護士型と労働組合型のどちらが自分に合うのか、失敗しないための判断は、退職代行で失敗しない選び方で確かめてみてください。
次の職場が決まっていないから言えない人へ|先に決めるのは「辞める日」ではなく「次の職場」
言い出せない理由の中に「次の職場が決まっていない」がある人へ、最後に私の実感をお伝えします。
次の職場が決まっていると、退職を言い出す怖さは軽くなる
私が実際に会社を辞めた3回は、どれも次の会社が決まってから伝えました。
内定をもらっていると、「言いづらい」よりも「次の職場に迷惑をかけられない」のほうが大きくなります。
辞める会社なのだから、早く伝えて楽になりたい、とも思えました。
引き止められても、断る理由がはっきりあります。
「次はどうするの?」と聞かれても、答えが用意できている。
それだけで、ずいぶん心強かったのを覚えています。
日報に書いたあの時だけ、私は次の職場を決めていなかった
退職を伝えたのに、結局辞めなかったことが一度だけあります。
洋食店で日報に書いたときです。
あのときだけ、私は次の職場を決めていませんでした。
日報を読んだ店長たちからは、「次は決まっているの?」とも聞かれました。
店長に背中を押されて「続けます」と答えたのは、断る理由を自分の中に持っていなかったからだと、今は思います。
もしあなたも同じなら、先に決めるのは辞める日ではありません。
次の職場です。
入社日が決まれば、この記事の最初にお伝えした「いつまでに言うか」の期限も、逆算で決められます。
今の会社しか知らないなら、外の相場を確かめてから決めても遅くない
退職を決めたものの、まだ迷いが残っている人もいるでしょう。
ところで、あなたが勤めている今の会社は何社目でしょうか。
もし1社目で今の会社しか知らないなら、今の会社が本当に悪い環境なのかを判断する軸が、まだ定まっていないかもしれません。
私がそうでした。
新卒で入った1社目は、仕事の内容に不満があって辞めました。
でも、あとから他の会社と比べてみると、給料は相場より高く、ブラック企業でもなかったのです。
転職活動をしてみると、自分の相場が分かります。
今より良い条件の内定が出なければ、今の職場は、条件の面では実は悪くないのかもしれません。
今より良い条件で内定が出たなら、胸を張って退職を伝えればいいのです。
もちろん、今の会社に残るか転職するかは、給料や休日などの条件だけで決まるものではありません。
人間関係、ハラスメント、サービス残業。
条件の数字には出てこない問題を抱えた職場も、多く存在します。
そうした問題も含めて、内定先と今の職場を比べてみてください。
在職中に転職活動をすると、心に余裕が生まれます。
できれば、内定をもらってから退職することをおすすめします。
転職にはリスクがあります。
でも、転職活動だけならノーリスクです。
転職活動そのものに踏み出せずにいる方には、転職が怖い・不安で動けない人へが最初の一歩の助けになると思います。
辞めたいのに体が動かない理由を知りたい方は、ブラック企業を辞めたいのに動けない理由も参考にしてください。
ただし、体も心ももう限界だと感じているなら、話は別です。
内定を待たずに、まず職場から離れて休むことを優先してください。
休み方に迷うときは、医療機関へ相談することをおすすめします。
📌 今日できる一歩
次の職場が決まっていない方は、転職エージェントに1社だけ登録して、面談の予約を入れてみてください。
今の会社には何も伝える必要はありません。
外の相場を知ることが、退職を言い出すための土台になります。
退職を言い出せないときによくある質問
Q1. 退職したいけど、なかなか言い出せません。どうしたらいいですか?
「いつまでに言うか」の期限を決めて、上司に時間をもらう一言だけを先に出してください。
口頭が難しければ、朝のうちにメールやチャットで送る方法もあります。
相手が脅す・退職を認めないタイプなら、第三者に任せる道もあります。
Q2. 退職を伝えるのはメールでもいいですか?
時間の約束をメールやチャットで取るのは、問題ありません。
一方、退職の話そのものをメールだけで済ませるのは、話を聞いてくれる上司が相手ならおすすめしません。
顔を合わせて伝えたうえで退職届を出すほうが、あとでもめにくいからです。
脅す・退職を認めない相手で、顔を合わせること自体が危険な場合は、書面や第三者に任せる方法を検討してください。
Q3. 直属の上司に言いたくありません。上司の上や人事に言ってもいいですか?
原則は直属の上司です。
上司を飛び越えると、退職日までの関係がこじれやすくなります。
ただし、ハラスメントなどで直属の上司に伝えること自体が難しい場合は、その上の上司や人事に伝えて構いません。
退職の申し入れは会社に対して行うもので、直属の上司を通さなければ成立しない、という決まりは一般にはないとされています。
Q4. 退職を伝えるときに録音してもいいですか?違法になりませんか?
自分が当事者として同席している会話の録音は、一般に違法とはされておらず、証拠として使える可能性が高いとされています。
相手に悟られないよう、部屋に入る前に録音を始めておいてください。
しかし自分が同席していない、他人同士の会話を録ることは別の問題です。
このケースは違法になるリスクがあるので行わないようにしましょう。
Q5. 次の職場が決まっていることは、今の会社に伝えなくてもいいですか?
伝える義務は、一般にはないとされています。
退職の理由は「一身上の都合」で足り、次の会社の名前を聞かれても、答える必要はないのです。
ただ、次の職場が決まっていること自体は、引き止めを断る理由として心強いものでした。
社名は言わずに「次の会社の入社日が決まっています」とだけ伝えるのが、現実的だと思います。
まとめ:退職を言い出せないときは、先に「いつまでに言うか」を決める
最後に、この記事の要点をまとめます。
- 言い出せない怖さの中身は、相手の反応・言った後のこと・自分の中で決め切れていないことの3つ
- 切り出す勇気より先に「いつまでに言うか」を決める。勇気が要るのは、最後の一瞬だけになる
- 上司は3タイプ。普通に話せる上司と、怖いけれど話は通じる上司には、自分の口で伝えられる
- 最初に出すのは、上司に時間をもらう一言だけ。席についたら、最初の1文で退職日まで伝える
- 脅す・認めない相手には、部屋に入る前の録音と第三者を準備する
- 次の職場が決まっていないなら、先に次の職場を決める。入社日が決まれば、期限も逆算で決められる
退職を伝えるのは、自分の時間と健康を、自分で選び直すための手続きです。
お世話になった人への感謝は、伝えたあとの引き継ぎで返せます。
3回伝えた私も、毎回すんなり言えたわけではありません。
それでも、期限を決めて、時間をもらう一言を出すところまで行けば、話は前に進みました。
明日、出社する前に、「この日までに言う」という日付を1つだけ決めてみてください。
日付が決まれば、上司の周りに誰もいない瞬間が来たとき、あなたはもう迷わずに声をかけられます。
次に読むなら
- 伝えるのが怖い相手で、第三者に任せることを考えている方は:退職代行で失敗しない選び方
- 伝えたあとの引き継ぎから最終出社日までを知りたい方は:退職の流れガイド
- 伝えたのに話が止まっている、認めてもらえない方は:会社が辞めさせてくれない

