相手が話している途中で、つい口を挟んで話を遮ってしまった。
黙って聞いていたのに、相手の話がすぐに終わってしまった。
聞き上手な人と自分は、何が違うのだろう…?
職場での雑談や取引先との会話が上手く続かず、そう感じている人も多いのではないでしょうか?
私も、話すのが得意ではありません。
それでも、前の職場でも今の職場でも、聞くことで周りからの信頼を作ってきました。
先にお伝えすると、聞き上手になるために必要なのは、気の利いた返しや話題ではありません。
聞き方です。
人は、自分の話を聞いてほしいもの。
気持ちよく話せた相手には、「また話したい」と思います。
だから、聞き方を変えるだけで、相手との関係は変わっていきます。
やることは、4つだけです。
私はブラック企業に約10年勤めた経験者で、現在は東証プライム上場企業の品質管理部門で働く現役会社員です。
話すのが苦手なまま、職場と取引先で聞く側に回ってきた経験をもとに、この記事を書いています。
職場でそのまま使える一言と、自分の話を入れるタイミングまでお伝えします。
この記事では、次の5つを順番にお伝えします。
- 聞き上手と「黙って聞く人」の違い
- 聞き上手になる4つのコツと、職場でそのまま使える一言
- 自分の話は、しないほうがいいのか
- 聞くことで、仕事で何が変わるか
- 相手の話がすぐ終わるとき、聞き役に疲れたときの対処
それでは、「聞き上手とはどんな人か」から確かめていきましょう。
聞き上手とは?「黙って聞く人」との違い
相手の話を黙って最後まで聞いているのに、会話が盛り上がらない。
そんな経験のある人も多いはずです。
まずこの章では、聞き上手とはどんな人なのかをはっきりさせていきましょう。
聞き上手は、相手が気持ちよく話せる人
聞き上手とは、相手が気持ちよく話せるように、話を引き出せる人のことです。
自分が何を言ったかではなく、相手にどれだけ話してもらえたかで決まります。
だから、自分の話す量は少なくても、聞き上手にはなれます。
反対に、黙って聞いているだけでは、聞き上手にはなれません。
相手から見ると、黙っている人は、聞いているのか興味がないのか分からない人です。
反応が返ってこないと、相手は話を続けにくくなります。
相手の話がすぐに終わってしまうのは、相手の話がつまらないからとは限りません。
「続けていいよ」という合図を、あなたが十分に返せていないからかもしれません。
合図とは、うなずきや、続きを促す一言のことです。
聞き上手な人の特徴|4つの違い
では、聞いているつもりの人と、聞き上手な人は、どこが違うのでしょうか?
違いを4つ、表にまとめます。
| 聞いているつもりの人 | 聞き上手な人 |
|---|---|
| 相手が話し終わる前に話し始める | 最後まで言わせる |
| ひとこと目が「でも」「いや」 | ひとこと目は肯定から入る |
| 次に自分が何を話すかを考えている | 相手が何に関心を持っているかを考えている |
| 聞いた話を忘れる | 聞いた話を、次に会ったときに持ち出す |
右の列の4つを、このあとの今日からできる4つのコツで1つずつお伝えします。
左の列に心当たりがあっても、問題ありません。
4つとも、今日から変えられる行動だからです。
人間は、自分の話を聞いてほしい生き物
聞き方を変えるだけで相手との関係が変わる理由は、人間が自分の話を聞いてほしい生き物だからです。
アメリカの大学で、こんな研究が報告されています。
人は話す言葉のおよそ30〜40%を、自分の体験を人に伝えることに使っている、というもの。
同じ研究では、自分について話しているときの脳の動きも調べています。
働いていたのは、嬉しさや満足を感じるときに働く領域(報酬系と呼ばれます)だったのです。
参加者が、もらえる金額が少し減るとしても、自分について話すほうを選ぶことがあった、という結果も出ています。
出典は、アメリカの学術誌に載ったTamir & Mitchell(2012)PNASの論文です。
つまり、自分について話すこと自体が、人間にとって嬉しいことだと考えられます。
だから、自分の話を気持ちよく聞いてくれる相手が求められるのです。
これは私自身にも当てはまります。
話すのは得意ではないのですが、相手がたくさん質問してくれたり、自分に興味を持ってくれたりすると嬉しく感じるものです。
相手が聞き上手な場合、私が自分の話ばかりしてしまっている、と気づくこともあります。
そういう相手がしていたことは、2つです。
否定せずに、褒めてくれること。
そして、話を深掘りして質問してくれること。
「ちゃんと聞いてくれている」「自分の話に興味を持ってくれている」と感じるから、つい話してしまうのだと思います。
だから、気持ちよく話せた相手に対して、「また話したい」と思うのです。
あなたが聞き上手になれば、相手は気持ちよく話せます。
すると、相手のほうから話しかけてくれるようになります。
自分から無理に話題を作る必要はありません。
私の場合は、職場でも取引先でも、そうやって関係を作ってきました。
次の章では、聞き上手になるための聞き方を、4つのコツに分けてお伝えします。
聞き上手になるには?今日からできる4つのコツ
後輩や取引先との会話で、ひとこと目に何を返せばいいか迷ったことはありませんか?
この記事のコツは4つです。
そして、4つを一度にやろうとしなくて大丈夫です。
最初に練習するのは、①の「口を挟まない」だけでもかまいません。
もう1つ、先にお伝えしておきます。
どのコツも、大げさにやらないでください。
やっていることが相手に伝わるほどやると、わざとらしくなります。
私も、相手に気づかれないくらいの加減を心がけています。
そのほうが、相手は気持ちよく自然に話を続けてくれるからです。
①相手が話し終えるまで、口を挟まない
結論が見えても、間違いに気づいても、相手が話し終えるまで待ちます。
先回りして「つまり、こういうことでしょ」と言わないでください。
相手が言葉に詰まって、沈黙が2〜3秒あっても待ちます。
話の途中の沈黙なら、相手の顔を見てうなずいて待てば十分です。
話を遮られた側は、「まだ話の途中なのに」と感じます。
私も、何度もそう感じてきました。
しかも、遮った側は早とちりをしていることが多いのです。
遮った側の勘違いを、遮られた私が後から訂正。
そんな手間が発生することも多々ありました。
私の話を最後まで聞いてもらえなかったせいで、問題が大きくなった経験もあります。
品質管理として現場で調べた不具合の原因を、上司に報告したときのことです。
上司は私の話を最後まで聞かず、途中で結論を出しました。
上司は、自分が考えた原因が正しいと思い込んでいるように見えました。
そのため、私が何を言っても聞いてもらえませんでした。
そのまま、間違った原因に対する対策が実行されました。
その結果、別の問題が発生し、無駄な対策で工数とコストが増え、納期まで遅れたのです。
間違った原因に対策を打ってしまうと、問題が止まらなくなってしまいます。
真の原因調査の方法については、なぜなぜ分析のコツで詳しく紹介しています。
最後まで聞くのは、「相手のため」だけではありません。
「自分が間違った判断をしないため」でもあります。
話が長い相手でも、まずは一区切りつくまで待ってみてください。
②ひとこと目は、肯定から入る
相手と違う意見を持っていても、最初の一言では否定しません。
私が部下や後輩に実際に使っている一言は、「なるほどね」「そういう考え方もあるよね」です。
上司や取引先が相手なら、「なるほど、そうなんですね」「そういう考え方もありますね」の形になります。
4つのコツの中で私が特に効果を感じているのは、この②と、次の③「相手に関心を持つ」です。
足りない点や違う意見は、そのあとに質問の形で出してください。
「◯◯の場合は、どうしてるの?」のように、相手が気づいていなさそうなところを質問するのです。
上司や取引先なら、「◯◯の場合は、どうされていますか?」。
相手は否定された気持ちにならずに、自分で気づきやすくなります。
同意できない話のときも、肯定の一言は使えます。
肯定するのは話の内容ではなく、相手がそう考えたこと、そう感じたことだからです。
間違った内容を認めることにはなりません。
「でも」「いや」で返すと、相手は否定された気持ちになり、次からあなたと話すことに抵抗を感じてしまいます。
ひとこと目を変えるだけで、相手の反応は変わります。
③相手に関心を持つ
相手をよく観察してみましょう。
この人は何が好きで、どんな話をしたいのか。
そこに関心を向けます。
相手の好きな話題を探りながら、話を聞きます。
相手が楽しそうに話す話題が見つかったら、そこを深掘りします。
関心を向けながら聞くやり方は、2つあります。
1つ目は、相槌を「続きを促す一言」にすることです。
「それで、どうなったんですか」の一言があれば、相手は続きを話せます。
同じ相槌だけを繰り返すと、聞いていない印象になるので注意してください。
2つ目は、質問を前もって用意せず、相手の言葉から選ぶことです。
相手がいま言った言葉を拾って、一度に1つだけ質問します。
相手が「トラブルがあって」と言ったなら、「どんなトラブルだったんですか」と返します。
返す言葉が出てこないときは、相手の言ったことを短く繰り返して確かめるだけでかまいません。
相手の好きな分野なら、教わる立場で質問するのが楽です。
私の場合は、車が好きな先輩に、こう質問していました。
今まで乗ってきた車、車へのこだわり、私が買うなら今のおすすめの車種、選ぶときのポイント。
自分が教わる側に回って質問すると、相手は気持ちよく話してくれますし、質問にも困りませんでした。
④聞いた話を、次に会ったときに持ち出す
「この前言っていた件、どうなりました?」
この一言で、相手は「自分の話を覚えていてくれた」と感じます。
前に聞いた話を持ち出すだけなので、新しい話題が無くても会話は始まります。
覚えていられないなら、メモでかまいません。
相手の名前と、話していた件名を一行だけ残しておきましょう。
次に同じ相手と会う前に、そのメモに目を通しておくことで、前回の会話などを振り返ることができます。
📌 今日できる一歩
次の会話1回だけでかまいません。
相手が話し終えるまで、口を挟まずに聞いてみてください。
話し終えたら、「それで、どうなったんですか」と1つだけ質問します。
聞き上手は自分の話をしない?入れるタイミングはいつか
聞き役に回ると、自分の話はしないほうがいいのか、どのくらい話せばいいのかが分からなくなる人もいるのではないでしょうか?
この章では、自分の話を入れるタイミングをお伝えします。
自分の話を入れる2つのタイミング
聞き上手は自分の話をしない、と言われることがあります。
でも、「しない」ではありません。
タイミングを選ぶだけです。
何割話すか、という数字で考える必要もありません。
タイミングの1つ目は、相手から質問されたとき。
2つ目は、共通の話題のときです。
共通の話題のときは、自分の経験や意見も短く伝えましょう。
ただし、最後は相手への質問で返して、話を相手に戻してください。
たとえば、「私も似たことがありました。私の場合は◯◯で、あまり上手くいかなくて…。◯◯さんは、そういう経験はありませんか?」という形です。
自分の話をまったくしないと、相手は「この人は何を考えているのか分からない」と感じます。
聞かれたら答える、共通の話題なら短く添えて相手に戻す。
この2つで足ります。
「聞き上手は話し上手」と言われる理由
「聞き上手は話し上手」という言葉があります。
聞くのが上手い人は、話すのも上手い、という意味の言葉です。
私は、この言葉を実感として、こう受け取っています。
相手の話をよく聞いていると、相手が何を知りたいのか、何を言ってほしいのかが分かります。
だから、自分が話す番になったとき、短く的確に返せます。
必要なのは、長く話す力ではありません。
聞いて集めた材料です。
反対に、聞かずに話すと、相手が求めていない話を長くすることになります。
話し上手に見える人も、先によく聞いているから短く返せるのだと、私は受け取っています。
話すのが苦手でも、聞き上手にはなれる
私は、きっかけがないと話しにくいと感じるタイプ。
だから、話題に困ったときは、自分が話す代わりに、相手が話すきっかけを作る側に回ります。
相手への質問から話題を広げるのです。
話すのが上手くなる必要はありません。
必要なのは、相手が話し出せる一言です。
「最近、忙しそうですね。何かあったんですか」でもかまいません。
ただし、黙っていれば聞き上手、ではありません。
最初の章でお伝えしたとおり、反応が返ってこない相手には、人は話を続けにくいからです。
そもそも職場で話す量を減らしたい、という人には、職場で必要最低限しか話さないのはアリ?が参考になると思います。
聞き上手な人が信頼される理由|仕事で起きる変化

聞くだけで、本当に仕事の信頼につながるのか、と疑問に思う人もいるでしょう。
聞くだけで信頼されるわけではなく、任された仕事をきちんとやっていることが前提です。
そのうえで、聞き方が差になります。
この章では、聞くことで私の仕事に起きた変化を2つお伝えします。
相談と情報が集まるようになる
話を聞いてくれる人のところには、相談と情報が集まります。
私がそれを実感したのは、台湾の職場でした。
台湾に駐在していたとき、私は十数名の小さな工場で、品質管理や生産管理を担当していました。
当時、その工場の責任者は、現場の意見を聞かずに、自分で決めた指示をそのまま現場に押し付けるやり方でした。
仕事の分け方のルールもなく、従業員によって、仕事の量や質にばらつきが出ていました。
従業員の間に不公平感が生まれ、揉め事に発展していきました。
私も、責任者から同じやり方を教えられました。
しかしそのやり方では、上手くいくイメージが全く持てませんでした。
だから私は、現場の人の話を聞くことから始めました。
聞いたのは、今の状況、仕事についての考え方、仕事で大事にしていることです。
そのうえで、それぞれの得意なことに合わせて、仕事の分け方を変えていきました。
中国語が十分に通じない間は、片言の中国語と漢字、そして絵でやり取りしました。
製造業では、図面が共通の言葉になります。
言葉が通じなくても、図面を指しながらなら、相手の言いたいことを聞き取れるのです。
出てきた意見や提案は、採用したりアレンジしたりしながら、少しずつ効率を上げていきました。
その結果、多くの従業員と、顔を合わせれば相手から冗談を言ってくるような仲になりました。
雑談の中から、相談や報告が出てくるようになりました。
私が聞きに行かなくても、情報が自然と集まるようになったのです。
話しかけやすい人が信頼される
報告しやすい相手には、悪い知らせも早く届きます。
私がそれを実感しているのは、今の職場です。
今の職場では、部下を持つ立場になりました。
報告や相談を受けたときは、先ほどのコツ②「ひとこと目は、肯定から入る」のとおり、まず肯定から入ります。
最初に否定しないことで、「話しかけやすい人」と思ってもらえていると感じています。
ミスの報告が早ければ、対策も早く打てます。
私の周りでは、同じミスの繰り返しが目に見えて減りました。
話すのが苦手な部下もいます。
そういう人の話は、最後まで聞いてから、聞いた内容を整理して返すのが私のやり方。
すると、その人が本当に言いたかったことが見えてきます。
話すのが苦手な人ほど、必要なのは最後まで聞いてくれる相手なのかもしれません。
部下や後輩に指示を出す立場の人は、指示出しが下手な人と上手い人の違いで、聞いてから指示を出す形も確かめてみてください。
上手く聞けないとき・聞き役に疲れたとき
コツを試しても、相手の話がすぐ終わってしまう。
聞いてばかりで、自分が疲れてしまう。
そういうときの対処を、4つの場面に分けてお伝えします。
相手の話が、すぐ終わってしまうとき
続かない話題は、無理に続けません。
沈黙のあとに、話題を変えます。
最初の章で、無理に話題を作る必要はないとお伝えしましたが、会話が止まったときだけは別です。
何を話せばいいか分からないときは、私は天気でもニュースでも、とりあえず口にしてみます。
上手い話題でなくてかまいません。
相手の得意な分野や好きな分野を知っているなら、その話題を振ってみてください。
それでも、続かないことはあります。
相手も聞き役だったり、人見知り同士だったりすると、お互いの距離が縮まらず、会話が続きません。
私にも、そういう相手はいます。
話題が途切れた沈黙のときは、相手の顔から目線をそらしてみましょう。
顔を見られ続けると、相手は話さなければならないプレッシャーを感じてしまいます。
目線を少しそらして、周りを見ながら次の話題を探すくらいで、ちょうどいいのです。
話題が出てこなければ、その日はそこで終えても大丈夫。
会話が続かなかったことと、関係が悪いことは別です。
次に会ったときに、前に聞いた話を1つ持ち出してみましょう。
話を遮ってしまった相手と、関係を戻すには
相手の話を遮ってしまって、以降その相手は必要なことしか言ってこなくなった。
そういうときは、焦って会話を増やそうとしなくて大丈夫です。
私がしているのは、日常的な声かけです。
「おはよう」「仕事は問題ない?」「元気?」くらいの一言だけ。
関係が悪いと感じているときは、無理に話さず、その一言で終えます。
仕事をしていれば、問題が起きて話をする場面は来ます。
そのときに相手が話しかけやすいように、関係を絶たないことだけを意識しています。
相手が話しかけてきたら、そのときに4つのコツで聞いてください。
興味が持てない話のとき
興味が持てない話を、無理に興味があるふりをして聞く必要はありません。
私の場合は、相槌に徹します。
そして、話の切れ目で「そういえば」と、別の話題に変えることもあります。
コツ③「相手に関心を持つ」と矛盾するように見えるかもしれません。
でも、興味を持つ対象は、話題ではなく相手です。
話題に興味が持てないなら、相手が好きな別の話題に移せばいいのです。
相手の話が長くて、聞き続けるのがつらい。
そういう相手への対処は、話が長い人に疲れるのはなぜ?にまとめています。
聞き役ばかりで疲れるときの線引き
全員の話を、同じ熱量で聞く必要はありません。
聞き上手の欠点を挙げるなら、聞き役ばかりで疲れてしまうことです。
だから私は、相手によって聞き方を分けています。
ちゃんと聞くのは、関係を続けたいと思える相手です。
尊敬する人、自分が目指している道で経験が豊富な人、的確なアドバイスをくれる人、気の合う人、この先も関係が続く人。
相槌だけで切り上げるのは、一緒にいると疲れる相手です。
こちらの元気を吸い取る人、周りの人を利用しようとする人、マウントを取る人、相手を思いやれない人。
以前の上司は、私にとっては本当に疲れる相手でした。
自分の話しかせず、こちらの話は遮り、自分の考えと違う意見は否定する人でした。
それでも直属の上司なので無視はできず、私は相槌だけ返していました。
途中で自分の話を入れても、結局は否定されるだけと分かっていたからです。
この上司がしていたことは、コツ①②③の正反対です。
遮ること、否定すること、相手に関心を持たないこと。
聞き上手の反対をされると、人は話さなくなります。
私がそうだったように、相手は話す気をなくしてしまうのです。
聞き役を長く続けるには、自分が疲れ切らないことも大切です。
だから、聞く相手は選んでかまいません。
関係を続けたい相手には、4つのコツで聞く。
疲れる相手には、相槌だけで切り上げる。
その線引きがあれば、聞き役は長く続けられます。
聞き上手になるには?よくある質問
Q1. 「聞き上手だね」は褒め言葉ですか?
ほとんどの場合、褒め言葉です。
「話しやすい」「ちゃんと聞いてもらえた」という意味で言われます。
ただ、「あまり話さない人」の言い換えに聞こえて、不安になる人もいるでしょう。
そう感じるなら、相手の話のあとに短く自分の話を返すことを1つ足してみてください。
この記事の前半の自分の話を入れる2つのタイミングでお伝えした形です。
Q2. 聞き上手と傾聴力の違いは何ですか?
重なる部分が多い言葉です。
傾聴は、カウンセリングなどで使われる聞き方の技術。
聞き上手は、日常の会話で相手が話しやすい人を指す言葉です。
この記事の4つのコツは、職場や日常の会話で使うことを想定して紹介しています。
Q3. 相槌の「さしすせそ」は使ったほうがいいですか?
「さしすせそ」とは、「さすが」「知らなかった」「すごい」「センスいい」「そうなんだ」の頭文字を取った相槌のことです。
使ってかまいません。
「さすが」「すごい」は、相手を否定せずに受け止める言葉です。
コツ②「ひとこと目は、肯定から入る」と同じ働きをします。
最初は「さしすせそ」から始めてもいいと思います。
慣れてきたら、そのあとに「それで、どうなったんですか」のような一言を添えてみてください。
相手の話を引き出せるようになり、より効果的です。
同じ言葉の連発だけは、わざとらしくなるので注意してください。
Q4. 聞き役としてちゃんと聞けていたか不安になります。どう確かめればいいですか?
確かめるのは、相手の反応ではなく、自分の行動です。
①相手の話を遮らずに聞けたか。
②相手の言葉を否定しなかったか。
③相手が話した内容を、1つ思い出せるか。
この3つができていて、あなた自身もその会話を楽しめたなら、ちゃんと聞けています。
相手が楽しんだかどうかは自分では決められないので、確かめる対象にしないでください。
Q5. 聞き上手は、仕事でどう役に立ちますか?
職種を問わず、報告・相談・打ち合わせなど、人とのコミュニケーションが必要な仕事で役に立ちます。
相手が話しやすい人のところには、相談と情報が集まり、悪い知らせも早く届くからです。
営業や接客など、直接お客様と関わる職種に限らず、様々な仕事で活かせます。
私の仕事である品質管理のように、社内外の話を聞いて判断する仕事でも変わりません。
まとめ:話し上手にならなくても、聞き方で関係は作れる
最後に、この記事の要点をまとめます。
- 聞き上手とは、相手が気持ちよく話せるように、話を引き出せる人。黙って聞くだけでは足りない
- 人は自分の話を聞いてほしい生き物。気持ちよく話せた相手に「また話したい」と思う
- コツは4つ。口を挟まない、ひとこと目は肯定から、相手に関心を持つ、聞いた話を次に持ち出す
- 自分の話は、聞かれたときと、共通の話題のときに短く。最後は質問で相手に戻す
- 全員に同じ熱量で聞かなくていい。関係を続けたい相手を選んで聞く
話し上手にならなくても、聞くことで関係は作れます。
相手が気持ちよく話せた時間は、相手の中に残るもの。
その積み重ねで、あなたは相手にとって「また話したい人」になっていくのです。
最初の一歩は、相手が話し終えるまで口を挟まないことでした。
それができたら、次に会ったときに、前に聞いた話を1つ持ち出してみてください。
「この前の件、どうなりました?」の一言で、相手は「覚えていてくれた」と感じます。
次に読むなら
- 話さない働き方そのものを考えたい方は:職場で必要最低限しか話さないのはアリ?聞き上手で信頼を作る方法
- 聞くのがつらい相手への対処を知りたい方は:話が長い人に疲れるのはなぜ?対処法と自分の説明を簡潔に伝えるコツ
- 聞き役に疲れてしまった方は:職場の人間関係に疲れた時の対処法

